「自宅のネットを10ギガ(光クロス)にすれば、会社へのアクセスも爆速になる!」 そう期待して回線を切り替えようとしている方は、少しだけ待ってください。
実は、光クロスの主流である「IPoE(IPv4 over IPv6)方式」には、リモートワークにおいて致命的ともいえる弱点があります。最悪の場合、「ネット閲覧は速いのに、会社のネットワークに一切繋がらなくなる」という本末転倒な事態に陥る可能性があるのです。
今回は、ITの現場で実際に起きている「通信方式の罠」について解説します。

なぜ「速い回線」でリモートアクセスができなくなるのか?
従来の「PPPoE」という接続方式では、自分専用のグローバルIPアドレスが割り当てられ、すべての通信経路(ポート)を自由に使うことができました。
しかし、光クロスの「IPoE」方式では、1つのグローバルIPアドレスを複数のユーザーでシェアする仕組みが一般的です。これが原因で、以下の2つの大きな壁が立ちはだかります。
① 「プロトコル」の壁(スタッフより技術的指摘)
リモートアクセスやVPN接続(L2TP/IPsecやPPTPなど)で使われる特定の通信ルール(プロトコル)は、多くのIPoE回線では「そもそも通さない(透過できない)」仕様になっています。 回線側でブロックされてしまうため、設定をどう変えても接続は不可能です。
② 「ポート(扉)」の壁
IPアドレスを共有しているため、自由に使える「ポート(通信の出入り口)」が極端に制限されます。「会社指定のポートを使って接続する」というルールがある場合、自分の回線にそのポートが割り当てられていなければ、物理的に入り口が閉じている状態になります。
リモートワーク主体の人には「向かない」理由
スタッフとも協議した結果、現状の一般的なIPoEベースの光クロスは、「外から中へ」の通信が必要なユーザーには不向きであるという結論に達しました。
- 会社へのVPN接続が突然繋がらなくなる
- 自宅PCへのリモートデスクトップ接続ができない
- 防犯カメラや自前サーバーの外部公開が遮断される
「ネットサーフィンや動画視聴」には最適ですが、「ビジネスの生命線である接続維持」にはリスクが高すぎるのです。
光クロスを導入しつつ、仕事を止めないための対策
どうしても10ギガの恩恵を受けたい場合は、以下の準備が必要です。
- 「固定IP対応のIPoEプラン」を検討する
一部のプロバイダが提供する「全ポート占有」ができる固定IPオプションを選べば、この問題は解決しますが、追加費用がかかります。 - 次世代VPN(Tailscale等)への乗り換え
ポート開放やプロトコルの制限を受けにくい、最新のメッシュVPNツールを導入する。 - 会社側のVPN設備を見直す
回線に左右されにくい「SSL-VPN」などへ、会社側のシステムをアップデートする。
まとめ 速度の前に「経路」の確認を!
「10ギガ」という数字は魅力的ですが、ビジネスにおいて最も重要なのは「確実に繋がること」です。
弊社では、パソコンの修理やネットワーク構築だけでなく、こうした「回線と業務ソフトの相性」に関する診断も行っています。 「光クロスにしたいけれど、今のリモート環境が壊れないか心配…」という山形県内の企業様や個人事業主の方は、ぜひ一度ご相談ください。
「速さ」と「安定」、両方を手に入れるための最適な構成をご提案します。
光クロス(10ギガ)対応:おすすめ固定IPプロバイダ比較
「光クロスにしたい、でもリモートアクセスも諦めたくない」という方へ向けて、具体的な解決策となるプロバイダ情報をまとめました。
光クロスの速度を活かしつつ、VPNやリモートデスクトップに必要な「自由な通信」を確保できるプロバイダは限られています。
「IPv4 over IPv6」技術を使いつつ、特定の通信(プロトコルやポート)を制限しないプランを提供しているプロバイダを厳選しました。
| プロバイダ名 | サービス名 | 月額料金(目安) | 特徴・メリット |
| インターリンク | ZOOT PREMIUM | 10,780円 | 最有力候補。 10ギガ専用設計で、全ポート(65,535個)が開放可能。VPNプロトコル制限もなく、ビジネス用途で最も確実です。 |
| ASAHIネット | 光クロスコース + 固定IP(IPIP方式) | 3,300円 | コスパ最強。 2025年末よりNTTのレンタルルーター(HGW)での固定IP利用が可能に。安価に「プロトコル制限なし」の環境が作れます。 |
| GMOとくとくBB | IPv6クロスパス 固定IP | 5,940円 | 知名度が高く、開通までが早い。リモートワークやWEBカメラ用途を明記しており、ポート開放が必要な用途にも対応しています。 |
| かもめインターネット | v6プラスX + 固定IPオプション | 4,400円 | 速度制限をしない方針で有名。ゲーマーやパワーユーザーに人気。縛り(違約金)がないため、短期の試行にも向き。 |
光クロス(10ギガ)対応 固定IP業者選び方のポイント
「IPIP方式」と書いてあるものを選ぶ
「プロトコル制限」を回避するには、IPIP方式(IPv4 over IPv6の一種)を採用しているプランが安心です。これにより、カプセル化された通信でもVPNが通りやすくなります。
2. 「NTTレンタルルーター」が対応しているか
以前は、固定IPを使うために高価な「特定メーカーのルーター」を自分で用意する必要がありましたが、最近はASAHIネットなどのようにNTTから借りるルーター(ホームゲートウェイ)でそのまま固定IPが使えるサービスも増えています。導入コストを抑えたい方。
無料体験があるか
「自分の会社のVPNが本当に繋がるか」は、実際に試すのが一番確実です。インターリンク(最大2ヶ月無料)やかもめインターネットのように、お試し期間があるプロバイダが安心です。
