「独自ドメインでメールを送っているのに、Gmail にだけ届かない…」「エラーメールが返ってきてしまう…」
最近こうした相談が、とても多くなっています。
というのも、2024年〜Gmailのセキュリティが大幅に強化され、正しいメール認証（SPF・DKIM・DMARC）ができていないと、迷惑メール扱いされたり、受信拒否されてしまうためです。
この記事では、
- Gmailに送信できない原因
- 必要な「SPF・DKIM・DMARC」の仕組み
- さくらインターネットでの設定方法
を できるだけわかりやすく解説します。
メールが届かず困っている方は、この記事を読めば解決できます。
なぜ独自ドメインメールがGmailに届かないのか？
2024年から Gmail の受信ルールが厳しくなった
Gmail は15億人以上のユーザーが利用しています。
近年、スパム増加に対応するため、
- 送信元を証明できていないメール
- 本当にそのサーバーから送っているか確認できないメール
- 改ざんチェックができないメール
を 受信拒否 するようになりました。
そのため、これまで普通に届いていた独自ドメインメールでも、急にエラーで戻ってくるケースが増えているのです。
Gmailにメールが届かないのは「認証レコード不足」が原因
Gmail にメールが届かない主な理由は、次の3つの認証レコードが未設定、または設定不備になっているためです。
- SPF：このサーバーからメール送ってますよ、と宣言するもの
- DKIM：メールが途中で改ざんされていないことを証明するもの
- DMARC：SPF・DKIM の結果を最終チェックする仕組み
この3つがそろうことで、初めて 正当な送信者として Gmail に信頼してもらえる ようになります。
メール認証「SPF・DKIM・DMARC」とは？
① SPF（Sender Policy Framework）
役割：このサーバーから送っていますよ、と宣言する仕組み。
Gmail は受信したときに、送信元ドメインのDNSに
「このサーバー（IP）から送ると登録されているか？」
を確認します。
例えるなら…
➡ 郵便局に「差出人住所はこの人です」と登録しておくイメージ。
設定していないと、「あなた、本当にこの住所から送ったの？」と疑われ受信拒否されます。
② DKIM（DomainKeys Identified Mail）
役割：メールが途中で改ざんされていないか証明する。
送信側：秘密鍵でメールに署名
受信側：公開鍵で署名を確認
例えるなら…
➡ 内容証明郵便のように「途中で改ざんされてませんよ」と証明する仕組み。
③ DMARC
役割：SPF と DKIM の結果を総合判定する「最終チェック」。
- どちらもOK → 正常メール
- どちらかNG → 怪しいメールとして扱う
さらに「失敗した場合どうするか？」を設定できます。
- 何もしない（監視のみ）
- 迷惑メールフォルダに入れる
- 破棄する（受信しない）
DMARC は 送信者ドメインの信頼性を高める最後の砦 です。
さくらインターネットで SPF・DKIM を設定する方法
ここからは、さくらインターネットのレンタルサーバーでの設定方法を紹介します。
まずは、さくらインターネットのサーバーコントロールパネルにログインします。
ここから、メール設定やDNS設定の操作を行います。
DNSレコードをいじったことがない方は、
さくらの 自動設定 を使うのが一番簡単で確実です。
- メニューの「ドメイン/SSL」へ
- 「メール/ドメイン設定」を開く
- 「SPFレコードを利用する」にチェック
- 保存
これだけで SPF の設定は完了です。
※補足
すでに自分でDNSレコードを追加している場合や、
外部のDNS（お名前.comなど）を使っている場合は、
自動設定が使えないことがあります
DKIM は、メールが途中で改ざんされていないことを証明する仕組みです。
こちらも、さくらの管理画面から簡単に設定できます。
- メニュー上部「メール」へ
- 「メール/ドメイン」を選ぶ
- 「DKIM設定」を開く
- 「DKIMレコードを利用する」にチェック
さくら側で公開鍵を自動生成してくれるため、難しい操作はありません。
保存すれば、そのまま DKIM が有効になります。
DMARC は、SPF と DKIM の結果を総合的に判断する仕組みです。
DMARC の設定では、認証に失敗したときにどう扱うかを選べます。
選べるポリシーは次の3つ
- 報告のみ行う（none）
- 迷惑メールフォルダに入れる（quarantine）
- 受信させない（reject）
初めて設定する方は、まず 「報告のみ」 がおすすめです。
さらに、DMARC のレポートを受け取るメールアドレスを入力します（動画 01:45）。
これは必須ではありませんが、設定しておくと状況が把握しやすいです。
設定が完了したら「設定する」をクリックすればOK
他社のネームサーバーを利用している場合
もし DNS を
- お名前.com
- ムームードメイン
- Cloudflare
- Xserver DNS
などで管理している場合は、さくら側の自動設定が使えません。
そのため、DKIM・DMARC のレコードを
手動で追加 する必要があります。
手動設定に必要な情報
さくらインターネット側の設定完了画面で
- セレクタ名
- 公開鍵（DKIM TXT）
を確認できます。
これらをコピーし、外部DNSへ追加します
注意
この手動追加については さくらインターネットのサポート対象外 です。
作業に慣れていない方は、慎重に進めてください。
Gmailに届かないときの最終チェックリスト
- SPFレコードが重複していないか
- DKIM が「未署名」になっていないか
- DMARC がドメイン一致しているか
- DNS反映まで最大24時間かかる
- Gmailエラー「5.7.26」は認証エラーのサイン
設定してすぐは反映されないことがあります。
少し時間を置いてからテスト送信してみてください。
まとめ
Gmail のセキュリティが強化された今、
SPF・DKIM・DMARC の3つは必須の設定 になっています。
特に、これまでSPFだけ設定して安心していた方も多いのですが、
現在は DKIM と DMARC まで設定しないとメールが届きにくい 状況です。
もし「メールが届かない」「Gmail だけ戻ってくる」という場合は、
この記事の手順で、ぜひ設定を見直してみてください。
