最近、ネット広告や各社のホームページでよく見かける「10ギガ対応光回線」。
「ビッグローブ光 10ギガ」「So-net光プラス 10ギガ」「ドコモ光10ギガ」など、いろんなプロバイダが10Gbpsの超高速回線を提供しているように見えますが、
実はこれらの「10ギガ光」は、すべてNTTが提供する「フレッツ光クロス」を使った光コラボなんです。
「フレッツ光クロス」ってなに?
フレッツ光クロスとは、NTT東日本・西日本が提供する最大通信速度10Gbpsの次世代型光回線です。
従来の1Gbpsの「フレッツ光ネクスト」とは異なり、より高速・大容量の通信が可能になっており、対応エリアも順次拡大中です。
この「フレッツ光クロス」を、ビッグローブやSo-netなどのプロバイダが借り受けて、独自ブランドとして販売しているのが“10ギガ対応光コラボ”です。

つまりどういうこと?
各社の「10ギガ光」は、ざっくり言えば
- 設備:NTT(フレッツ光クロス)
- 契約・料金・サポート:プロバイダ(ビッグローブ、So-netなど)
という分担になっています。
主な10ギガ光コラボの例
サービス名 | 実体 | 備考 |
---|---|---|
ビッグローブ光 10ギガ | フレッツ光クロス(光コラボ) | IPv6対応 |
So-net光プラス 10ギガ | フレッツ光クロス(光コラボ) | v6プラス対応 |
ドコモ光10ギガ | フレッツ光クロス(光コラボ) | ドコモスマホ割あり |
@nifty光 10ギガ | フレッツ光クロス(光コラボ) | キャンペーン多め |
OCN光 10ギガ | フレッツ光クロス(光コラボ) | NTTレゾナント系 |
※すべて「フレッツ光クロス」が提供されている地域でのみ利用可能です。
注意点
- 提供エリアが限られている(全国対応ではない)
- 対応機器(10Gbps対応ルーターやLANケーブルなど)が必要
- 月額料金はやや高め(1ギガと比較して)
- 通信速度は環境や時間帯で差が出る場合もある
10Gbpsでも 「遅い 」と感じる理由は?
「せっかく10ギガプランにしたのに、思ったより速くない…」
そんな声も少なくありません。
その原因、多くはパソコンや周辺機器のスペック不足にあります。
よくあるボトルネック(通信の 「詰まり」ポイント)
- パソコンのLANポートが1Gbpsまでしか対応していない
- Wi-Fiルーターが10Gbps非対応
- LANケーブルが古い(カテゴリ5e以下など)
- SSDではなくHDDで速度が遅い
- そもそもCPUやメモリが古くて処理が追いつかない
解決するには?
- LANポートが10GBASE-T対応のパソコンか確認
- ルーターも10Gbps対応の製品にする
- LANケーブルはカテゴリ6A以上(Cat6A, Cat7, Cat8など)
- ストレージはHDDよりSSDがおすすめ
10ギガ回線を活かすための【機器別チェック&買い替えポイント】
パソコン(PC)
項目 | チェックポイント | 買い替え/対策の目安 |
---|---|---|
LANポート | 10GbE(10GBASE-T)対応か? | 1GbpsまでのLANしかないPCは恩恵が少ない。ゲーミングPCや法人向けPCで対応モデルあり。 |
USBポート | USB3.1 Gen2以上なら10G LANアダプタ利用も可 | ノートPCでも10Gアダプタ+Thunderbolt/USB-Cで対応可能 |
ストレージ | SSDかどうか | HDDだと転送速度がボトルネックになる |
CPU/メモリ | Core i5以上・8GB以上推奨 | 処理能力不足で高速通信の恩恵を受けにくい |

「古いノートパソコン+HDD+1Gbps LAN」だと、どんなに10Gbps回線でも最大1/10しか使えません。
ルーター(ホームゲートウェイ)
項目 | チェックポイント | 買い替え/対策の目安 |
---|---|---|
WANポート | 10Gbps対応ポートがあるか | 市販品で「10G WAN対応」と記載されているモデルを選ぶ |
Wi-Fi規格 | Wi-Fi 6E または Wi-Fi 7対応か | 無線通信で高速化を狙う場合はWi-Fi 6以上が必須 |
IPv6対応 | IPv6(IPoE)に対応しているか | 混雑しにくく速い通信が可能。v6プラスやtransixなど |
対応ルーターの比較
① NTTが提供する「対応レンタルルーター」(XG‑100NE)
- 10GBASE‑T対応の有線ポート(最大10Gbps)
- Wi-Fi(通常はWi-Fi 6相当)
- IPv4 over IPv6に対応しており、接続設定が不要で簡単に利用可能です
※注意点として、レンタルルーターのみではOCN光「フレッツIPoEクロス」など一部のIPv6サービスには対応せず、その下に自前の10G対応ルーターを接続する必要がある場合があります
② 市販ルーターで対応しているモデル
NTT公式の対応リストでも確認できるように、一部のメーカー製ルーターが「フレッツ光クロス」対応として動作確認されています
BUFFALO(バッファロー)「WXR18000BE10」、他にもWi‑Fi 6対応の WXR‑6000AX12P や WXR‑11000XE12 なども対応確認済みモデル
種別 | モデル名 | 特徴 | メリット |
---|---|---|---|
NTT公式レンタル | XG‑100NE | 標準レンタル、10G有線対応、IPv6設定不要 | 設定が簡単、公式対応で安心 |
市販ルーター(Buffalo) | WXR18000BE10P | Wi‑Fi 7対応、10GbEポート完備 | 無線も非常に高速、長く使える最新モデル |
市販ルーター(Buffalo) | WXR‑6000AX12P / WXR‑11000XE12 | Wi‑Fi 6/6E、10G対応 | 高速・安定、比較的購入しやすいモデル |
LANケーブル
カテゴリ | 最大通信速度 | 10Gbps対応? |
---|---|---|
Cat5e | 1Gbps(最大) | ❌(一部環境でギリギリ) |
Cat6 | 最大10Gbps(55mまで) | △(短距離限定) |
Cat6A | 最大10Gbps(100m対応) | ◎ |
Cat7/Cat8 | 10Gbps以上 | ◎(高耐性だが価格高め) |



おすすめは「Cat6A」以上。
安定性とコスパのバランスが良く、一般家庭には最適。
せっかくの10G回線、機器も 「10G対応」でそろえよう
10Gbpsの超高速回線を最大限に活かすには、回線だけでなく、使う機器も対応していることが前提です。
特に以下の3点は必須チェック
- パソコンのLANやUSBが10Gbpsに対応しているか
- ルーターが10Gポート付き&Wi-Fi 6以上か
- LANケーブルがCat6A以上か
「回線だけ速くしても、結局は「パソコン側が1Gbpsまで」ならそのスピードはムダになってしまう」
そんなもったいない状態を避けるためにも、機器の見直しはぜひ一緒に検討してみてくださいね。
まとめ
「各社の10ギガ光」は、名前は違っても中身は 「フレッツ光クロス」の光コラボ。
だから、どの会社を選んでも基本的な通信品質や速度に大差はありません。
そのぶん、料金・キャンペーン・サポートの手厚さで選ぶのがポイントです。
そしてもう一つ大切なのは――
あなたの使っているパソコンやWi-Fiルーターが10Gbpsの速さを活かせるかどうか?
せっかく速い回線を引いても、古い機器では意味が半減してしまうので、見直しもお忘れなく!

