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データの長期保存方法に向いている方法 向いていない機器

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増大するデータ量

データの重要性がどんどん高まり、データ量が急速に増加する中、データの安全な保存は企業にとって重要なテーマのひとつです。特に注目したいのは、収集したデータを安全かつ確実に長期保存することです。

これから始まるインボイス制度の電子帳簿保存法では電子データの保存方法についてシステムを今一度見直し整えなければなりません。電子帳簿等の保存、スキャナ保存、電子データ保存と長期保存すべきデータが増大します。
企業にとって、早急に取り組むべき重要な課題となっています。

ここでは、データの長期保存に適した方法、長期保存に適さない方法、長期保存のコツについて紹介します。

データを長期保存する方法

光ディスク(BD-R・M-DISC)に保存

BD-RはBlu-ray Disc Recordableの略で、ハイビジョン映像などの大容量コンテンツを保存するために開発された光ディスクフォーマットです。1層ディスクで最大25GB、2層ディスクで最大50GBのハイビジョン映像を記録することができます。

一方、M-DISCは、従来の光ディスクに比べ、より多くのデータをより長時間保存できるデジタルデータ保存技術です。さらに、M-DISCはデータをより安定的に保存することができます。M-DISCの物理層は合成石のような素材でできており、これを焼くと、停電、自然災害、強磁場などの一般的なデータ消失の原因にならない、永久不変のデータ記録を作成することができます。

また、それぞれのディスクを正常に動作させるためには、対応する光学ドライブが必要です。BD-RはBD-RまたはBD-RE対応、M-DISCはM-DISC対応の専用ドライブが必要です。

これらの特徴から、一般的な光ディスクが30年までのデータ保存であるのに対し、M-DISCは1000年の保存が可能であるといわれ、長期間のデータ保存に適しています。

光ディスク(CD、DVD、Blu-ray)に保存

CDやDVDなどの光ディスクは、その読み書き性能と携帯性から、長期間のデータ保存に使われることが多くなってきました。光ディスクの代表格であるCD-ROMやDVD-ROMは、それぞれ最大8.5GB、4.7GBのデータを保存でき、品質や互換性も高く、長期間のデータ保持特性も非常に優れているため、長期間のデータ保存に適しています。

また、ブルーレイディスクは最大25GBまで保存できますが、CDやDVDに比べるとアクセスに時間がかかります。CDやDVDは、定期的なデータクリーニングやディスクの再浮上のほか、磨耗による交換が必要になることもあります。しかし、長期間のデータ保存を必要とし、時間と労力を惜しまない人にとって、CDやDVDなどの光ディスクは信頼できるデータ保存方法になります。

ただし、湿気や紫外線に弱いので、製造時の品質や手入れ、取り扱い、保管方法によって寿命が大きく変わってきます。

NASに保存(長期保存に適したHDDに保存)

データの長期保存に適した耐久性に優れた製品や複数のHDDを組み合わせて、信頼性・耐久性を高めたNAS(Network Attached Storage)、いわゆるネットワークHDDがおすすめです。設定によりバックアップを2重・3重でできます。

ただし定期的にHDD交換は必須です。

オンラインストレージに保存

長期データ保存方法として検討したいのが、オンラインストレージです。
インターネットに接続できる環境があればいつでも、素早くアクセスでき今では不可欠なツールです。

しかし、非常に多くの種類のストレージがあるため、長期データ保存に最も効率的で安全なオプションを選ぶことは難しいでかもしれません。クラウドストレージは、アプリケーションやウェブサイトなど、インターネットに接続できるあらゆるデバイスからデータを保存し、アクセスすることができます。これは大きな利便性をもたらしますが、選択するクラウドストレージが安全で、信頼性が高く、拡張性があることを確認することが重要です。

例えば、プロバイダーによっては、ストレージのプランが超過した場合に追加料金が発生したり、暗号化や2ファクタ認証などの追加機能を提供しているところもあります。さらに、長期保存オプションを選択する際には、使用しているファイル形式と、ストレージプロバイダーがそれにどの程度対応しているかを考慮することが重要です。

ストレージプロバイダーと互換性のあるファイル形式に変換することで、データは長期間にわたって傷つくことなく安全に保存されます。最終的には、データが長期にわたって安全でセキュアであるという安心感を与えてくれるストレージオプションが望ましいでしょう。

データの長期保存に向いていない機器

USBメモリ・SDカード

USBフラッシュメモリは、長期間のデータ保存に適したデバイスではありません。物理的な損傷に弱く、エラーが発生しやすいため、保存したデータが簡単に破損したり、失われたりする可能性があります。残念ながら、USBメモリーに保存されたデータはすぐに消失してしまうため、長期保存デバイスとしての信頼性は低いです。

一方、クラウドストレージやハードディスクなど、他のストレージデバイスに保存されたデータは、より安定したプラットフォームに保存されるため、長期的なデータ保存に関しては、一般的に安全性が高いと言えます。さらに、クラウドストレージやハードディスクには、ウイルススキャンやハードディスクのデータ復旧などの保護機能が組み込まれており、データの安全性をより確実にすることができます。全体として、USBフラッシュメモリの長期的な信頼性は低く、重要なデータや機密情報、貴重なデータを長期間保存するための最適な選択とは言えません。

SSD

SSDは長期的なデータ保存に適したデバイスではありません。
SSDは、その高い性能と耐久性から多くの消費者にとって理想的な保存機器かもしれませんが、データを長期間保存するために設計されたものではありません。SSDは、従来のハードディスク・ドライブのように磨耗することはなく、寿命が尽きるにつれて速度が低下することもありません。しかし、SSDの寿命は、ドライブの容量に強く依存します。SSDのメモリセルに書き込みが行われると、徐々に効果が低下するため、長期的なデータ保持には使用しないでください。さらに、従来のハードディスクドライブは、数年間データを劣化させることなく保持できるため、長期間のデータ保存に適していますが、SSDはそのようなことはできません。最新のSSDは短期的な保存や様々な作業には最適ですが、長期的な保存には向いているとはいえません。

SSDは、高速なデータアクセスが必要な場合や、定期的なデータの書き換えが発生する場合に適しています。

ビジネス利用に適した保存媒体って?

数多くの選択肢がある中で、企業データを保存する最適な方法を見つけるのは大変なことです。中小企業であれ、大企業であれ、データの保護プロセスはビジネスの安全性を確保するための重要なポイントです。

最も信頼性の高いストレージメディアのひとつがクラウドです。クラウド環境は、パフォーマンスや拡張性を犠牲にすることなく、大量のデータを安全に、効率的に、そしてコスト効率よく保存する方法を提供します。さらに、クラウドストレージは複数のデバイスからアクセスできるため、必要なときにいつでも簡単にデータにアクセスすることができます。クラウドストレージを選ぶ際には、保存するデータの種類、サービスの信頼性とセキュリティ、必要なストレージ容量を考慮することが重要です。

ビジネスデータの保存には、ローカルストレージも有効な選択肢の一つです。外付けハードディスクやUSBストレージを使用すれば、迅速かつ簡単にアクセスできますが、デバイスの安全性を確保するために定期的に更新する必要があり、物理的な損傷や紛失のリスクも常にあることを念頭に置いておく必要があります。

最終的には、クラウドとローカルストレージのどちらにも長所と短所があるため、どちらの技術が独自のビジネスニーズを満たすかを評価し、決定することが重要です。

まとめ

データの重要性がますます高まる中、データの長期保存は企業にとって重要な課題となっています。
どのようなデータ保管場所でも、最大限の安全性を保証することは不可能であるため、情報を二重、三重に保護することが必須です。

今回紹介のデータ保存を参考に自社にあった保存方法をぜひご検討ください。

長期的なデータ保存に向けて不安がありましたらぜひ当社へご相談ください。

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