古いOffice(2013や2016など)が入っているパソコンに新しいOfficeをインストールするとき、
「削除しないで入れても大丈夫?」「共存できたら便利かも」と迷う方も多いでしょう。
実は、旧Officeを削除せずに新Officeを入れると、ライセンス情報の競合やファイルの関連付けトラブルが起こることがあります。
この記事では、共存による不具合の実例と、安全な入れ替え手順を解説します。
旧Officeを削除せずに新Officeを入れるとどうなる?
共存は基本的に「非推奨」
Microsoft公式でも「異なるバージョンのOfficeを同一PCにインストールすることは動作保証外」としています。
実際の現場でも、旧Officeを残したまま新Officeを入れると次のような不具合が起こります。
よくあるトラブル
- WordやExcelの既定アプリが切り替わり、ファイルが開けない・起動しない
- Outlookのアカウント設定が消える、またはエラーが出る
- Officeの更新が途中で止まる・ライセンスエラーになる
- Microsoftアカウントに紐づけされたOfficeが自動で認識され、古いバージョンに戻ってしまう
アカウント紐づけによる「置き換え」トラブルに注意!
ここが最も重要なポイントです。
スタッフの間でも実際に起きているのが次のようなケースです。
現場で起きる実例
- 新しいOfficeをインストールしようとすると、インストール画面で
- 「すでにOfficeをお持ちですね」と表示される
- 「はい」を選択すると、自動的にMicrosoftアカウントに紐づけられた「古いOfficeライセンス」が認識される
- その結果、新Officeではなく旧Officeが再インストールされてしまう!
つまり、Microsoftアカウントに古いOfficeライセンスが紐づけされていると、
インストーラーが自動的に古いバージョンを優先して入れてしまうことがあるのです。
対策
- 新Officeを入れる前に、Microsoftアカウントのサービスとサブスクリプションページで登録されているOfficeのバージョンを確認
- 旧Officeが紐づけされている場合は、サインアウトした状態で新しいOfficeをインストール
- もしくは、新しいMicrosoftアカウントでサインインしてインストールする
この操作で「古いバージョンが勝手に再インストールされる」トラブルを防げます。
共存できるケースとできないケース
| 状況 | 共存可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| Office 2016(永続版)+Microsoft 365(サブスク) | 一部共存可能 | 設定が競合しやすい。更新や既定アプリに注意 |
| Office 2016+Office 2021(どちらも永続版) | ❌ 非推奨 | ファイル関連付け・ライセンスが競合 |
| Access・Visioなど単体製品 | ⭕ 共存可能な場合あり | ただしサポート対象外 |
| Microsoftアカウントに紐づくOfficeがある場合 | ❌ 非推奨 | インストール時に旧バージョンが優先されることがある |
安全な入れ替え手順
- ライセンスを確認
Microsoftアカウントまたはプロダクトキーを控えておく - 旧Officeをアンインストール
設定 → アプリ → 「Microsoft Office」を選択 → アンインストール
完全削除したい場合は、Microsoft公式の「Officeアンインストールサポートツール」を使用 - サインアウトした状態で新Officeをインストール
または、新しいMicrosoftアカウントでサインインして実行 - 再起動して動作確認
WordやExcelを開き、[ファイル] → [アカウント] でバージョン情報を確認
削除前にバックアップしておきたいもの
- Outlookメールデータ(.pst)
- Excelの個人用マクロブック(PERSONAL.XLSB)
- 自作テンプレートやアドインファイル(.xlam)
どうしても旧Officeを残したい場合
- テストや互換性確認など、目的が明確な場合のみ
- 別ユーザーアカウント、または仮想環境で運用するのが安全
- 常に「どのバージョンを既定アプリにするか」を明示的に設定しておく
まとめ
- 旧Officeを削除せずに新Officeを入れると、ライセンスや設定の競合でトラブルが起きやすい
- 特にMicrosoftアカウントに古いOfficeが紐づけられている場合、自動で旧バージョンがインストールされてしまうことがある
- 安全に入れ替えるには
・旧Officeをアンインストール
・サインアウトまたは新アカウントでインストール
・再起動して動作確認 - 共存を避けるのが基本。どうしても必要なら仮想環境や別アカウントで運用を。


