初めてパソコンを買おうと家電量販店に行ってみたものの、専門用語ばかりでよく分からない…。
気づけば店員さんに勧められるまま高額モデルや不要なソフトを買ってしまった、という声も少なくありません。
この記事では、初心者が家電量販店でパソコンを購入する際に注意すべきポイントを分かりやすく解説します。
読めば「どんな基準で選べばいいか」「どんな落とし穴があるか」が理解でき、安心して自分に合った1台を選べるようになります。
使う目的をはっきりさせてから行く
パソコン選びで一番大切なのは、自分が何に使うのかを明確にしておくことです。
家電量販店に行くと、最新モデルや高性能な機種をすすめられることがありますが、実際にはそこまでの性能が必要ないケースも多いです。
例えば、
学生向け(レポート作成・オンライン授業)
- WordやExcelでのレポート作成、PowerPointでの発表資料
- ZoomやTeamsを使ったオンライン授業
Core i5/メモリ8GB/SSD 256GB以上が目安。持ち運びやすい軽めのノートPCがおすすめ。
社会人向け(仕事用・資料作成)
- Officeソフトやメールの利用、Web会議、資料作成
- 画像や動画編集をする人はワンランク上のスペックが必要
Core i5〜i7/メモリ16GB/SSD 512GB以上なら業務も快適。
趣味・クリエイティブ向け(写真・動画編集、ゲーム)
- YouTube動画編集、イラスト制作、PCゲーム、オンライン対戦ゲーム
CPUはCore i7以上、メモリ16GB以上、可能なら専用グラフィック(GPU)搭載モデル。
- ネット閲覧やメール、Word・Excelの利用が中心 → 入門向けの安価なモデルで十分
- 写真編集やYouTube動画作成をしたい → CPU性能やメモリが高めのモデルが必要
- ゲームを楽しみたい → 専用グラフィック搭載モデルが必須
このように、用途によって必要なスペックや価格帯は大きく変わります。
目的を決めずに店頭へ行くと、不要に高価なパソコンを勧められてしまうことも。
まずは「自分はどんな場面でパソコンを使いたいか」を紙に書き出してからお店に行くと、スムーズに選べます。
このように、「ネットだけなのか」「学業・仕事で本格的に使うのか」「趣味で高負荷作業をするのか」を事前に決めておくだけで、選ぶべきパソコンの条件がぐっと絞れます。
目的を整理せずにお店へ行くと、必要以上に高額なモデルを勧められてしまうこともあるので注意しましょう。
用途別おすすめスペック表(初心者向け)
用途 | 想定する使い方 | おすすめスペックの目安 |
---|---|---|
学生向け(レポート・授業) | Word・Excelでレポート作成、PowerPointで発表資料、Zoom/Teamsでオンライン授業 | CPU:Intel Core i5 / Ryzen 5メモリ:8GB以上ストレージ:SSD 256GB以上画面サイズ:13〜14インチ(持ち運び重視) |
社会人向け(仕事・資料作成) | Officeソフトでの業務、Web会議、複数アプリを同時利用 | CPU:Core i5〜i7 / Ryzen 5〜7メモリ:16GB以上ストレージ:SSD 512GB以上画面サイズ:14〜15インチ |
趣味・クリエイティブ向け | 写真加工、YouTube動画編集、イラスト制作 | CPU:Core i7以上 / Ryzen 7以上メモリ:16GB以上ストレージ:SSD 512GB〜1TBGPU:専用グラフィック搭載モデル |
ゲーム用途 | PCゲーム、3D処理の重いソフト | CPU:Core i7〜i9 / Ryzen 7〜9メモリ:16〜32GBストレージ:SSD 1TB以上GPU:GeForce RTXシリーズなど高性能GPU必須 |
- 学生は軽さと価格のバランス重視
- 社会人は業務効率化のためメモリ多めが安心
- 趣味・ゲームはグラフィック性能が最重要
用途別おすすめスペックと価格帯の目安
用途 | 想定する使い方 | おすすめスペックの目安 | 価格帯の目安 |
---|---|---|---|
学生向け (レポート・授業) | Word・Excelでレポート作成、PowerPointで発表資料、Zoom/Teamsでオンライン授業 | CPU:Core i5 / Ryzen 5メモリ:8GB以上SSD:256GB以上画面サイズ:13〜14インチ | 8〜11万円程度 |
社会人向け (仕事・資料作成) | Officeソフトでの業務、Web会議、複数アプリを同時利用 | CPU:Core i5〜i7 / Ryzen 5〜7メモリ:16GB以上SSD:512GB以上画面サイズ:14〜15インチ | 10〜16万円程度 |
趣味・クリエイティブ向け | 写真加工、YouTube動画編集、イラスト制作 | CPU:Core i7以上 / Ryzen 7以上メモリ:16GB以上SSD:512GB〜1TBGPU:専用グラフィック搭載 | 15〜20万円前後 |
ゲーム用途 | PCゲーム、3D処理の重いソフト | CPU:Core i7〜i9 / Ryzen 7〜9メモリ:16〜32GBSSD:1TB以上GPU:GeForce RTXシリーズなど | 20万円以上〜 |
まとめると
- 7〜10万円台 … 学生・ライトユーザー向け
- 10〜15万円台 … 仕事用で安心して長く使える
- 15万円以上 … 動画編集やゲームなど高負荷作業向け
家電量販店でお得に買える主な時期
時期 | 特徴 | 狙い目ポイント |
---|---|---|
3〜4月(新生活シーズン) | 新入学・新社会人向けのキャンペーンが多い | 学生割引や学割モデルあり、Office付きPCが安くなることも |
6〜8月(夏のボーナス商戦) | ボーナスで買い替え需要が増える | 最新モデル発売直後の型落ち品が安くなる |
9月(決算セール) | 多くの量販店が半期決算を迎える | 在庫処分で値引き幅が大きい |
11〜12月(冬のボーナス&年末セール) | ボーナス商戦+年末在庫整理 | 高性能モデルやゲーミングPCも値引き対象になりやすい |
1月(初売り) | 福袋や限定特価モデルが販売される | 価格は安いが中身を確認できない場合あり、スペック確認必須 |
ポイント
- 型落ちモデルは「性能十分+価格がお得」で狙い目
- 初売りや福袋は安さ重視だが、用途に合わない可能性もあるので注意
- 学割は学生本人だけでなく「新社会人」も対象になることがある
初心者向け:これを選べば間違いない定番スペックまとめ
- OS:Windows 11(Mac希望なら最新MacBook Air)
- CPU:Intel Core i5 以上 / AMD Ryzen 5 以上
- メモリ:8GB以上(可能なら16GBが安心)
- ストレージ:SSD 256GB以上(長く使うなら512GB)
- 画面サイズ:持ち運ぶなら13〜14インチ、据え置き中心なら15インチ
- 価格帯:7〜12万円前後が初心者向けの安心ゾーン
- 注意点:不要なソフトや高額な延長保証をすすめられても即決しない

この条件を押さえておけば、家電量販店で迷わず「コスパが良くて快適に使えるパソコン」を選べます。
ワンポイントアドバイス:長く使うなら「ちょっと背伸び」がおすすめ
最低限のスペックでも普段の作業は問題なくできますが、パソコンは一度買うと 5年以上使い続ける人が多い もの。
将来的にOSのアップデートやソフトの動作が重くなることを考えると、最初に少し高めのスペックを選んだ方が結果的に快適で長持ち します。
例えば、
- メモリ8GBでも動くけど、16GBを選んでおくと数年後も安心
- SSD 256GBでも足りるけど、512GBあれば容量不足で困らない
初期費用は少し上がりますが、買い替えサイクルが延びるので、長期的にはコスパが良い選択になります。
5年以上安心して使える「ちょっと背伸び」おすすめ構成
- OS:Windows 11 Home / Pro
- CPU:Intel Core i7 または AMD Ryzen 7
- メモリ:16GB以上(動画編集や複数アプリを同時に使う人は32GBも検討)
- ストレージ:SSD 512GB以上(外付けストレージを使わずに安心)
- 画面サイズ:14〜15インチ(据え置きメインなら15インチが快適)
- GPU(グラフィック):できれば専用グラフィック搭載モデル(動画編集やゲームを考えるなら必須)
- 価格帯:15〜20万円前後
ポイント
- 最初に多少お金をかけても、長期間買い替え不要で結果的に安上がり
- 将来「もっと重いソフトを使いたい」と思ったときにも余裕あり
- 仕事・勉強・趣味のすべてに対応できる 「万能機種」
不要なソフトやサービスに注意
家電量販店で販売されるパソコンには、最初からセキュリティソフトや体験版のソフトが入っていることが多いです。
「期限が切れる前に契約を」と勧められることもありますが、慌てて申し込む必要はありません。
また、延長保証やサポート契約も必ずしも必要とは限りません。自然故障だけをカバーするのか、落下や水濡れも対象なのか内容をよく確認しましょう。
さらに、プリンタや周辺機器との 「抱き合わせ販売」もよくあるので、本当に必要かどうか冷静に判断してください。
ネット回線・プロバイダ契約をその場で勧められても即決しない
家電量販店では「PC購入と同時にネット契約をすると割引」といったキャンペーンがよくあります。
一見お得に見えますが、実際には 割高なプラン が含まれているケースもあります。
ネット回線は地域や利用環境によって適したサービスが異なるため、必ず自宅のエリアで使える回線を調べてから契約しましょう。即決せず、複数社の料金やサービスを比較するのが安心です。
型落ちモデルも選択肢に
「新モデル=良いパソコン」と思われがちですが、1世代前のモデルでも性能は十分な場合が多いです。
特にCPUの世代がひとつ古い程度なら、体感の差はほとんどありません。
新モデルよりも価格が大幅に安くなっていることもあるので、コスパ重視の人は型落ちモデルを候補に入れるとお得に購入できます。
価格だけでなく「サポート体制」も確認
パソコンは購入後に初期設定やトラブル対応が必要になることもあります。
その際に重要なのが「サポート体制」です。
- 店頭での初期設定サービスはあるか
- 修理は量販店経由か、メーカー直送か
- 故障時に代替機を貸してくれるか
価格だけで決めてしまうと、後で困ったときにサポートを受けられず不便に感じることがあります。
長く安心して使うためには、購入後のサポートも含めて検討することが大切です。
自分に合った1台を見つけよう
家電量販店でパソコンを選ぶときは、用途に合ったスペックを知っておくことが失敗しないコツです。
最低限の構成でも十分使えますが、これから長く使うつもりなら、少し背伸びして高めのスペックを選ぶのがおすすめ。
安さに飛びつかず、不要なオプションに流されず、必要な条件を整理してからお店へ行けば、きっと満足のいく1台に出会えます。
家電量販店に行く前のチェックリスト(印刷して持参用)
□ パソコンの用途は?(仕事/ネット/動画編集/ゲーム)
□ 予算はいくらまで?(○万円)
□ OSは?(Windows or Mac)
□ CPUは最低でも「Core i5 / Ryzen 5」以上を希望
□ メモリは「8GB以上」
□ ストレージは「SSD 256GB以上」
□ 不要なソフトや長期契約をその場で申し込まない
□ 延長保証は本当に必要か?(自然故障にだけ対応か確認)
□ ネット回線・プロバイダ契約は後で比較検討する
□ 型落ちモデルがあれば候補に入れる