「社内でファイルを共有したいけれど、どうやって設定すればいいの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
社内の情報共有をスムーズに行うには、ネットワーク環境の整備と、適切なファイル共有の設定が欠かせません。
本記事では、社内ネットワークの基本構成から、Windowsを使ったファイル共有の手順、そして安全に運用するためのセキュリティ対策まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
これからファイル共有を始めたい方、今の運用に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
まずは社内ネットワーク環境を整えよう
ファイル共有を行うには、パソコン同士が通信できるローカルネットワーク(LAN)の構築が必要です。ここでは、最小限の構成で社内ネットワークを組むためのポイントを紹介します。
有線 or 無線?環境に合わせて選ぶ
- 安定性重視なら有線LAN(LANケーブル)
デスクトップPCが中心のオフィスや、大量のデータをやり取りする環境におすすめ。 - 柔軟性重視なら無線LAN(Wi-Fi)
・ノートPCやタブレットを使う職場に適しています。
・無線LANルーターの設置だけで複数端末を接続可能。
ネットワーク構築に必要なもの(最低限)
- インターネット回線(光回線など)
- ルーター(LANポート付き)
- スイッチングハブ(有線接続のPCが多い場合)
- LANケーブル(カテゴリ5e以上推奨)
- 各PCが同じネットワークに接続されていること
ファイル共有の方法と手順(Windows編)
ネットワーク環境が整ったら、次にファイル共有の設定を行います。
Windowsパソコン同士での共有は以下の手順で可能です。
- まず、ファイルを共有したいすべてのPCが同じネットワーク(Wi-Fiまたは有線LAN)に接続されていることを確認しましょう。
- 違うネットワークにいる場合、共有はできません。
- エクスプローラーで共有したいフォルダーを探す
- フォルダーを右クリック →「プロパティ」
- 「共有」タブを選択し、「共有」ボタンをクリック
- 「ネットワークアクセス」画面で、「Everyone(すべてのユーザー)」を選ぶと簡単ですが、セキュリティ的には「特定のユーザー」に限定するのがおすすめです。
- 「追加」→「アクセスレベル(読み取り専用 or 読み取り/書き込み)」を設定して「共有」をクリック
- 共有されたフォルダーのパスが表示されます。
- 他のPCでエクスプローラーのアドレスバーにこのパスを入力すればアクセスできます。
- ファイル共有ができない場合、Windows Defender ファイアウォールの設定を確認しましょう。
- コントロールパネル >「ネットワークと共有センター」>「共有の詳細設定」で、
「ネットワーク探索」と「ファイルとプリンターの共有」を有効にしておく必要があります。
Macとの共有や混在環境の場合の注意点
社内のPCがすべてWindowsであれば比較的簡単ですが、Macが混在する場合は、いくつかの注意点があります。
MacからWindows共有フォルダにアクセスする方法
- MacのFinderを開く
- メニューの「移動」→「サーバへ接続」を選択
- 「smb://<WindowsのIPアドレスまたはPC名>」と入力して「接続」
- ユーザー名とパスワードを求められる場合は、Windows側で設定したアカウント情報を入力

Windows側で「パスワード保護共有」が有効な場合、Macからアクセスするにはユーザーアカウントを共有設定しておく必要があります。
WindowsからMac共有フォルダにアクセスする方法
- Macの「システム設定」→「一般」→「共有」を開く
- 「ファイル共有」をオンにする
- 「オプション」から「SMBを使用してファイルとフォルダを共有」にチェック
- ユーザーに共有アクセスを許可し、Windowsから「\<MacのIPアドレス>」でアクセス
セキュリティ対策も忘れずに
社内でファイル共有を行う際は、セキュリティ対策が必須です。情報漏洩やウイルス感染を防ぐため、以下の点を確認しましょう。
- 読み取り専用にして、書き込みが不要な人には変更させない
- 機密情報のあるフォルダは、特定ユーザーのみアクセス可能にする
- 各PCにウイルス対策ソフトを導入・定期更新
- ファイル共有フォルダにマルウェアが紛れ込むリスクにも注意
- 「プライベートネットワーク」でのみファイル共有を許可
- 公共Wi-Fi下ではファイル共有をオフにする
- リモートワークや別拠点間での共有には、VPNの導入が効果的です。
- 通信が暗号化されるため、安全にデータをやり取りできます。
NAS(ネットワーク接続ストレージ)の導入という選択肢も
もし複数の社員が日常的にファイルを共有する場合、NASの導入もおすすめです。
NASとは?
・ネットワークに接続するハードディスクのようなもの
・複数のPCからアクセスでき、常に稼働している社内ファイルサーバーのような存在


NASのメリット
- 24時間共有フォルダにアクセスできる
- アクセス権やバックアップの管理がしやすい
- パソコンの電源に左右されないため安定性が高い
おすすめNASメーカー例
Synology、QNAP、BUFFALO(法人向け)
快適かつ安全なファイル共有を実現しよう
社内ネットワークでのファイル共有は、環境構築・正しい設定・セキュリティ対策の3本柱が重要です。
以下のポイントを押さえて、効率よく・安全に業務を進めましょう。
- 同じネットワークにPCを接続する
- フォルダの共有設定とアクセス権を適切に設定する
- セキュリティソフトとファイアウォールでリスクを抑える
- NASやVPNなど、運用に合った仕組みを選ぶ