「いつも通りVPNに接続しようとしたのに、なぜかつながらない…」
そんな経験はありませんか?
VPNは、社外から社内ネットワークに安全にアクセスするために欠かせない仕組みですが、接続できない原因はさまざまです。
しかも、ネットワーク・設定ミス・機器トラブルなど、どこに問題があるのか分かりづらいのが悩みどころ。
本記事では、VPNがつながらないときにまず確認してほしい7つのポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
焦って再設定する前に、落ち着いて1つずつチェックしてみましょう。
VPNがつながらないときにまず確認すべき7つのポイント
VPNに接続できない場合、いきなり再設定を始めるのではなく、以下のポイントを順に確認することが大切です。
意外と見落としがちな基本的なミスも多いため、チェックリスト感覚でご覧ください。
① IPアドレスやDNSサーバーが自動取得になっていない
VPNに接続できない原因として、IPアドレスやDNSサーバーの設定が「手動」になっているケースがあります。
これではネットワークから正しい情報を受け取れず、通信が失敗します。
確認手順(Windows)
- コントロールパネル →「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの状態とタスクの表示」
- 「アダプターの設定の変更」→ 該当のネットワークを右クリックし「プロパティ」
- 「インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」を選び、「プロパティ」を開く
- 「IPアドレスを自動的に取得する」「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」にチェックが入っているか確認
②ネットワーク制御ツールが干渉している
セキュリティソフトや企業向けツールなどで導入されているネットワーク制御アプリ(例:FortiClient、Cisco AnyConnectなど)がVPNの接続を妨げることがあります。
不要なものはアンインストール、必要なものでもVPNとの競合がないか確認しておきましょう。
③ダイナミックDNSが正しく設定されていない
固定IPの代わりにダイナミックDNS(DDNS)を使っている場合、設定ミスや更新エラーによってVPN接続が失敗することがあります。
- DDNSサービスが有効か
- ルーターが対応しているか
- ホスト名とIPが一致しているか
これらをサーバー側・クライアント側で確認しましょう。
④ 接続方式が正しく設定されているか(L2TP/PPTP/OpenVPNなど)
VPNには複数のプロトコル(通信方式)があり、接続先の設定とクライアント側が一致していないと接続できません。
- Windows標準の「L2TP/IPsec」
- 古くからある「PPTP(非推奨)」
- ソフトウェアを使う「OpenVPN」「WireGuard」など
設定画面でプロトコルが正しく選ばれているかを確認しましょう。
⑤ 接続先のVPNサーバーがダウンしていないか
自分の端末に問題がなくても、相手側のVPNサーバーが停止中であれば接続できません。
- 他の社員もつながらないか確認
- 管理者にサーバーの状態を問い合わせる
- サーバーの再起動中や保守作業中の可能性も
⑥ セキュリティソフトやファイアウォールが妨害していないか
ウイルス対策ソフトやWindowsファイアウォールの設定が、VPN通信をブロックしている場合があります。
- 一時的にセキュリティソフトをオフにして試す(※自己責任)
- VPNクライアントがファイアウォールの「許可されたアプリ」に入っているか確認
⑦ 公共Wi-Fiなど一部のネットワークではVPNが制限されることも
カフェやホテルなどの公共Wi-FiではVPNが遮断されている場合があります。
この場合、VPNプロトコルそのものがブロックされていて、設定では解決できません。
- スマホのテザリングなど、別のネットワークに切り替えて試す
それでもつながらない場合の追加対処法
基本的なチェックをすべて行ってもVPNがつながらない場合は、以下の対処法を試してみてください。設定や接続先サーバーに問題がある場合の切り分けに役立ちます。
パソコンやルーターの再起動を行う
一時的な接続トラブルやIPアドレスの競合は、再起動で解消されることがあります。
- VPNがうまくつながらない場合、まずはPCを再起動
- 可能であればルーターやモデムも再起動してみる
再起動後に正常に接続できるケースは意外と多いです。
別のネットワーク(テザリングや他のWi-Fi)で試す
接続しているネットワーク環境に制限がある場合は、別の回線に切り替えて試すことで原因の切り分けが可能です。
- スマホのテザリングを利用してVPN接続を試す
- 社外のWi-FiがVPNポートをブロックしている場合もあります
VPNクライアントソフトを最新版にアップデートする
古いVPNクライアントソフトを使っていると、OSの更新と相性が悪くなることがあります。
- ソフトの公式サイトから最新版をダウンロード
- WindowsやMacのセキュリティアップデート後は特に注意
クライアント設定を削除して再作成する
設定ファイルが壊れている場合、一度削除して作り直すことで解決することがあります。
- VPN接続の設定を削除して再登録
- 入力項目を一つひとつ丁寧に確認しながら進める
別の端末(スマホや他のPC)で接続を試す
自身の端末に原因があるかを調べるために、他の端末で同じVPN情報を使って接続できるか試してみましょう。
- 他の端末でも接続できなければ、VPNサーバー側の問題の可能性が高い
- 他の端末では接続できるなら、PC側の設定やソフトが原因かも
VPN接続トラブルは落ち着いて一つずつ確認を
VPNがつながらないときは、焦らずに1つずつ原因を切り分けることが大切です。
本記事で紹介したように、IPアドレスの設定ミスやネットワークの不具合、セキュリティソフトの干渉など、接続できない理由は意外と身近なところにあります。
改めてチェックすべきポイントを振り返りましょう。